〇『どうにかなる日々』(志村貴子、F×comics、太田出版)
志村貴子著。短篇が数話収められた作品であり、巻数は全2巻。初出は話により異なっており、第1巻に収録されている話の場合は、『MANGA EROTICS F』と『麗人』という雑誌が初出となっています。第2巻は、初出情報が載っていませんでした。描きおろしやイラストが追加された新装版も出ていますが、今回は旧版を読みました。
いろいろと複雑な事情を持った男女の話や、BL、GL的な話が収録されており、性描写が過激なシーンも多く出てきます。陰毛描写は2巻分を合わせて2、3か所ほど。また、「無毛信仰」という陰毛に関する話もあります。
現実で出くわすと、ちょっとどうなのかなと思うような人たちでも、この作品で見ると、どこか愛らしく見えてきます。2020年には劇場アニメ化もされており、アニメ版も気になるところです。
〇『ロールスロイスラジオ』(小野塚カホリ、F×comics、太田出版)
小野塚カホリ著。8つの話が集められた短篇集です。初出は『マンガ・エロティックF』や『マンガF』、『COMIC MIU』などです。単行本は全1巻。
男女のいびつな恋愛関係が扱われており、ストーカー気質の女と狙われる男、兄嫁と弟、教師と生徒といった、恋愛が関わると危ない関係が多く描かれています。陰毛描写は多々あり、性描写も過激に描かれていますが、絵柄からか生々しさはあまり感じません。
今回はKindle版で読みましたが、その奥付によれば、2002年に刊行された単行本を電子書籍化したものであり、電子書籍化は2024年と最近なされたそうです。紙の本では、おそらく新品で手に入れにくいと思われるので、20年ほどの前の作品を電子化してくれるのは大変助かりますね。