〇『マルクスガール』(山本夜羽、Jコミックテラス)
山本夜羽作。単行本は全2巻。第2巻の目次によれば、初出は『ヤングチャンピオン』誌。ネット通販サイト「アマゾン」で同作を検索すると、Kindle版では表紙の背景にマルクスの写真があるバージョンと、赤い背景に金の鎌と槌があるバージョン、二つのバージョンがヒットします。今回は前者の版を読みました(もしかしたら、バージョンによって修正に差異があるかもしれないので注意が必要です)。
内容は、県で一番の名門高校に進学した主人公が、とあることであこがれを抱くようになった先輩を追い、「現代美術研究会」に関わるようになり、先輩や研究会の仲間との関係を通して、自身のこれまでの考え方を変えていくというストーリーになっています。タイトルからして、第一印象は観念的、あるいは重い社会派的な作品を想起してしまいますが、実際に中を見ると、ラブコメ要素もある学園漫画の感が強いです。ただ、このような基調を持つ作品は珍しく、主要登場人物もさわやかな人物が多いので、面白く読めました。
陰毛描写のある場面は、たくさんと言えるほどではないかもしれませんが、第1巻・第2巻とも数か所で有ります。
〇『アラバスターの季節』(高津マコト、ヤングキングコミックス、少年画報社)
高津マコト作。連載は『月刊YOUNGKING アワーズGH』誌。単行本は全3巻。
ストーリーは、離島で暮らす男子高校生で美術部幽霊部員の主人公が、新任の美術教師かつ美術部顧問のヌードデッサンをすることとなり……。美術教師との出会いをきっかけに、主人公と美術や美術部員たちとの関係にも変化が生じていく、といった内容になっています。
人物・動物を含めて、絵柄は少年誌的でかわいく描かれており、色々な人に読みやすいキャッチーな作品かと思います。内容は、もっと深めてほしいエピソードもありながらも、主人公や友人たちが、美術部や人間関係をめぐり、悩み葛藤していく青春漫画となっており、とても読みやすいかと思います。
陰毛描写は1巻では見つけられませんでしたが、2巻と3巻では描かれています。場面は少ないですが、美術のヌードデッサンが関わっていることもあり、印象的な場面で描かれています。
今回紹介した作品は二つとも、美術部が関わる作品でした。個人的には、青年誌の美術が関わる漫画で裸が描かれる場合、陰毛描写がなされていることが多く感じます。まだ紹介して作品もあるので、いずれ当ブログでも紹介したいと思います。