〇『あんたさぁ、』(ルネッサンス吉田、ビッグ コミックス スペシャル ヒバナ、小学館)
ルネッサンス吉田著。初出は『スピリッツ増刊ヒバナ』。既出の話の他、3話ほど描きおろしが収録されています(奥付より)。単行本は全1巻。
単行本の構成は、雑誌に既出の話と描きおろしに分かれていますが、作品の内容は繋がっており、ひと続きの話となっています。
内容は、ある家に二人で同居する姉弟の話で、心を病んでいる姉と甲斐甲斐しい弟が主に登場しています。姉の不安定な精神状態やその起因になったと思われる姉弟の過去が描かれており、作風は全体的に暗くなっています。しかし、姉と弟の信頼関係により、どこか読者に希望を持たせた作品になっています。陰毛描写は2・3シーン程あります。ただし、白いボカシがあるシーンもあります。
〇『フェチの穴』(山口譲司、NICHIBUN COMICS、日本文芸社)
山口譲司著。初出は『週刊漫画ゴラク』。単行本は全1巻。
タイトルとおりフェチをテーマにした作品です。特殊なフェチを抱えた人たちとその運命を描いたもので、一部各話共通のキャラクターがいますが、それぞれの話は独立した形に成っています。
作者の山口譲司は以前紹介した『聖女のヒメゴト』と同じ作者です。しかし当作は『聖女~』とは違って、コメディ要素は少なく、性描写も男女のからみが多くなっています。
陰毛描写は作風やテーマで期待されるほど多くは無く、2・3か所ほどと少な目でしたが、リアルな描写となっていました。話によって毛の描写は有ったり無かったりという感じなのですが、どのような基準で描くのか気になるところです。