〇『クローバー・シンデレラ』(明石英之、日本文芸社)
明石英之著。初出は『漫画ゴラク』。単行本は全1巻。
売れっ子漫画家を目指す自称日本一運の無い男・衣田藤吉が、千世子という女性に出会ったことで、運が好転していき…、というサクセスロマンス漫画。1巻で完結していることもあり、ストーリーとしては少し短いものになっています。
主人公は千世子と付き合い、その後人生が好転していきます。一方で、千世子についてはどのような人物か、どのような境遇を持っているのか、といった背景は全く分からないのが不思議でした。
陰毛は非常に薄いですが描かれています。描写をもの足りないと思う人もいるかもしれせんが、脱毛が珍しくなくなってきている今日の社会では、当作に出てくるような陰毛の描写は、かえってリアルなのかもしれません。
〇『ポンコツ19』(とみさわ千夏、ACTION COMICS、双葉社)
とみさわ千夏著。初出雑誌は、kindle版では記載が見つけられず分からなかったのですが、単行本のレーベルがACTION COMICSなので、『漫画アクション』誌になるのでしょうか。
単行本は全2巻。陰毛描写は、第1巻では少ないですが、第2巻ではそれなりに描かれています。
ジャンルはギャグ漫画。自動車が好きで、女性にはだらしない「クニちゃん」という19歳の男性が主人公の作品。バブル期という時代状況を背景に、主人公が男友達とバカ騒ぎをしながら、自動車で夜間に暴走し、さらに女遊びにも事欠かないという、主人公の刹那的で退廃的な生活をする様子が書かれています。
主人公は一般的な常識からみると、かなりひどい男で、現代の価値観からみても、あまり共感を得られるような人物ではありません。しかし、女性からはモテます。最終的に主人公は、あまりにも大きすぎるしっぺ返しを受けますが、その結末は読む人によって賛否両論が出るかもしれません。
作者のとみさわ千夏の作品は、以前『プリーズ・フリーズ・Me』を紹介したので、今回で2作目となります。似たテイストの同氏の作品は、他にも出されていると思われるので、今後も取り上げたいと思います。