〇『ポム・プリゾニエール La Pomme Prisonniere』(鶴田謙二、楽園、白泉社)
鶴田謙二著。初出は『楽園』および「楽園 web増刊」(奥付より)。単行本は1巻(kindle版)。
裸女、猫、廃墟をテーマにした話がまとめられた作品です。主人公や世界観は統一されています。
裸女がテーマにあるだけあって、主人公は作中ほとんど裸です。陰毛もリアルに描かれており、作品の最初から最後まで頻繁に描かれています。
裸の女性が平和にひとりで生活する、こういったテイストの作品はあまり見ないので、もっと増えてほしいですね。
巻頭には、中村明日美子、沙村広明、木尾士目、石黒正数、寺田克也といった作家がイラストを寄せており、それらのイラストの中にも陰毛が描かれているものがあります。石黒正数については、『天国大魔境』を以前紹介したのでそちらも参考にしてください。
〇『ビリーバーズ』(山本直樹、ビッグコミックスピリッツ・スペシャル、小学館)
山本直樹著。『ビッグコミックスピリッツ』に掲載されていた作品を収録。作品を検索すると、電子書籍では通常の単行本と合本版があり、通常は全2巻、合本版は全1巻。今回は値段も安い合本版(kindle版)を読みました。
とある宗教団体から使命を受け、無人島で共同生活をする3人の男女をめぐる話です。3人の信者は共に信仰生活をして自給自足の生活をしていますが、時がたつにつれ、3人の内2人の男女が互いに惹かれあっていきます。作品の中盤から性描写は激しくなり、陰毛まで描かれているシーンも多く登場します。
初出が1999年であることからも、当時の社会問題を写す時代相的な作品であることが分かります。2022年には実写映画化もされているようですが、どのように映像化されているか気になりますね。グロテスクな暴力シーンも描写されているので、注意してください。